レイトショーで妖怪映画『寄生獣』を観た。
先んじて、原作コミックをコンビニで買って読み直したら、とてもよい話でした。
で、映画はと言えば「新しいものを生み出す工夫や努力が不足」という、いろいろ残念な出来だった。
冒頭5分間のイントロ部分のつまらなさ、あれに凝縮されているよね。
・コミック原作に忠実に作る
・コミックをベースに新たに構成し直し、さらにアイデアを足す。
この間を取って、アイデアの足し方が全然足りない感じ。イヌ寄生獣がみたかったのに
当時なかったネット社会やカメラ監視社会、ビッグデータ的なものが画面に登場しても、それが物語にまったくかみ合ってこずに、いまさら、環境破壊うんぬん、みたいな話をされても、それは原作が連載していた四半世紀前だから良かったけど、正直、今日聞くと「今さらそんなこといわれても。。。」。
リアリティがかなり不足。
山崎監督の過去作の映画「ジュブナイル」や「リターナー」であったような、どっかでみたことあるけど、これをここに持って来たか!こりゃ、案外面白くていいんじゃないの?
みたいな部分が皆無なのが残念。
演出も良くない。
ミギーの目玉、デカ過ぎだろう。
隠れているはずのミギーが堂々としすぎていて、これ、周りの人は気づくよね、っという大きさ。
あと、染谷の叫び声、出演者の「え?」とか、様々なため息が多すぎる。
母親の死も早すぎる、過去作「宇宙戦艦ヤマト」でいきなり波動砲を撃った唐突な違和感と非常に良く似ている、他にやりようがあるんじゃない?と。
これは、完結編をみてからなんだけども。
探偵大森が撮影する写真で、その設定でその画は撮れないんじゃない?とか、深津絵里のキャラクターがイマイチ原作にあるコワさかけるとか、わかりやすくしすぎてってカッコ悪いとか、どうも演出はじめ色んな部分の作り込みが足りない、脚本の工夫も足りない。あ、でも、クライマックスのアレは好感持てました。
良かったところは阿部サダヲの吹き替えと、東出くんの校内皆殺しシーンと光をコントロールしたCG合成技術かな。ラストの格闘シーンは意外とよかったです。
でもさ、もう100倍がんばってほしいものです。PG12でがんばりました、とか胸を張るところを間違えているように思う。