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コウモリから環境探る 高知県の天狗高原で“声”を調査
2014年06月01日08時23分
昨夏、高知県初確認のコウモリが相次いで見つかった高知県高岡郡津野町の天狗高原で5月30日から6月1日にかけ、県内外の研究者らがコウモリを調査している。コウモリが発する超音波を記録して分布データなどを蓄積することで、自然環境の変化を捉えようという試み。周辺の捕獲調査で、珍しいクロホオヒゲコウモリや天狗高原初確認のユビナガコウモリが見つかった。
研究者らのネットワーク「コウモリの会」(事務局=神奈川県逗子市)が2010年から行っている「iBats Japan(アイバッツジャパン)」というプロジェクトで、中心は福井大・和歌山大特任助教。
今回は高知県や東京、大阪などから有志10人も参加し、天狗高原のコウモリを調査している四国自然史科学研究センター(須崎市下分乙)が捕獲などで協力した。
宿泊施設「天狗荘」(標高1355メートル)で福井特任助教がコウモリの発する超音波の特徴を説明。「音声からは各種のコウモリを大まかなグループで特定できる」など、研究の現状を紹介した。
夜間は、周辺の森でコウモリの超音波を人が聞こえる音に変換する機器で観察し低速の車で移動しながら録音した。位置情報と合わせ、イギリスの保護グループのサーバーに保存する。
高知大生らも参加した捕獲調査は、森に捕獲機器を設置。30〜31日に4種9匹が掛かり、参加者が体長などを記録した。福井特任助教は「環境変化に敏感なコウモリの研究はヨーロッパでは既に注目されている。将来的に人間生活との関わりや、気候変動の把握に役立てたい」としている。
天狗高原では昨年8月、四国で44年ぶりとなるモリアブラコウモリなど県内で未確認だった3種が見つかっていた。
> 【写真】捕獲したコウモリを調べる参加者(高知県高岡郡津野町の天狗高原)