ひさしぶりの在宅デー。
雨の一日、朝から家族サービスや雑用。
夜、映画『キャプテンアメリカ・ウィンターソルジャー』を観にいった。
なかなかおもしろかった。
クリス・エバンスの演じるちょっとボンヤリ感のある昔の青年感がバッチリ。
ロバート・レッドフォード、スカーレット・ヨハンソンの仕事選ばないっぷりもよかった。
(え?『ロスト・イン・トランスレーション』って、もう11年も前なの!?)
有名な
スタン・リーもカメオ出演しているし。
前作に比べ豊かな予算なのか、余裕のあるつくりだった。
アクションシーンでは飽きないようにいろいろ工夫があるようで、なんだかよくわからないが、つい、見入ってしまった。
なによりも、アメコミ原作で終始マンガな話なのだけれど、脚本の作りこみがしっかりしていてとにかく感心。
衛星情報とビックデータ解析による上空からのテロ予防措置、自由と正義とアメリカン・ウェイ、政府の犯罪と政府職員による情報漏洩と時代遅れな夢想的なキャラクターを縦糸横糸としてマンガな話なんだけどうまく織り込んでいて感心する。
wikipediaの項目を読むと、脚本の完成にずいぶん時間がかかったのも、納得。
で、『ウィンターソルジャー』については、
TBSラジオたまむすび中で町山智浩が紹介した内容で意味をようやく知るのでした、なるほどねぇ。
作品背景とアメリカの社会事情についてもよくわかるので、映画ご覧になる方には、一読を強くオススメします。
なるほど、ねぇ。
映画『ウォッチメン』もそうだったけど、偉いなぁ、アメリカ人は。
【町山智浩が語る『キャプテンアメリカ2』の元ネタと超深いテーマ】
http://miyearnzzlabo.com/archives/18290
(以下引用)
(略)
(町山智浩)で、キャプテン・アメリカっていうのはものすごく愛国者が強くて。本当にアメリカを死ぬほど愛してるんで、アメリカ政府が悪いことをした場合に、おかしくなってきちゃうんですよ。
(中略)
(町山智浩)そうそう(笑)。見た感じは星条旗を着てるから、バカみたいなんですよね。見た目が(笑)。本当に恥ずかしい格好をしてるんですけど。こんな恥ずかしい格好をするほど愛国心があるんですよ。だからこそ、『国なんかどうでもいい』ってチャラチャラ思っている人よりもどんどん傷ついていくんですよ。彼は。だって、国家っていうのは悪いことをしますからね。政治家っていうのは。彼は純情だから、いちいち傷つくんですよ。それに。
(赤江珠緒)なるほどー!
(町山智浩)っていう話で。で、ウィンター・ソルジャーっていう今回のタイトルは敵の名前なんですよ。ウィンター・ソルジャーっていう名前のものすごい強敵のサイボーグが出てくるんですね。で、キャプテン・アメリカとほとんど互角に戦える能力の男が出てくるんですけども。これ、ウィンター・ソルジャーっていう名前がまた非常に政治的な意味を持っているんですよ。
(赤江珠緒)えっ?なんだろう?
(町山智浩)これは、アメリカで1971年にですね、ベトナム戦争がまだあった頃ですけど。ベトナム戦争に行ったアメリカの兵隊たちが、『我々がベトナムでどんな残虐行為をしたか?』っていう告白をした集会の名前が、ウィンター・ソルジャー集会っていうんですよ。
(赤江珠緒)えー!そうなんですか?
(町山智浩)そう。『アクト・オブ・キリング』とか『リーベンクイズ』と同じことなんですよ。71年にあったんです。その時にそれを主催した、戦争に反対するベトナム帰還兵の会っていうのの会長が、現在のジョン・ケリー国務長官なんですよ。
(赤江珠緒)うーん。
(町山智浩)ジョン・ケリーさんはベトナム戦争に行ってですね、そういう残虐行為の実態を見たんで。それを告発すると言って、帰還兵たちを集めたんですよ。それはどうしてか?っていうと、その直前にですね、アメリカ軍の兵士がソンミ村っていうベトナムの村でですね、まったく武装していない農民の女子供老人を500人殺したっていう事件がありまして。それが本当にあったのかどうなのか?本当に虐殺だったのかどうなのか?ってずっと裁判でモメてたんで。そういったことに対して、こうしたことはベトナムでしょっちゅう行われてるんだってことを証言する集会が行われたんですね。それがウィンター・ソルジャー集会なんですよ。
(赤江・山里)えーっ!?
(町山智浩)だからウィンター・ソルジャーっていうタイトルはものすごく政治的な意味があるんですよ。
(赤江珠緒)ものすごい重いタイトルなんですね。
(町山智浩)ものすごい重いタイトルなんですよ。で、これアフガンとイラクで戦争があった時にも、そこに参加した人たちは自分たちの残虐行為を告白する集会を開いて。それもウィンター・ソルジャー集会っていって。これに関しては集会の記録が日本でも本が出てます。『冬の兵士』っていうタイトルで出てますね。