『
哺乳類のかたち ~種を識別する掟と鍵~』を読む。
ほ乳類や鳥類の調査・研究や絵を描かれたり、雑誌バーダーの連載記事を書かれたり人形をつくられたり、また、軍用機とUFO情報とメイドカフェ的情報にもお詳しいとおうかがいすることがある川口さんの先日発売になった本を拝読する。
香川県に在住の川口さんは、ワタシの中の『生きている四国のえらいひとの一人」。レジェンドというか人間国宝でいいや。
本の内容は、ワタクシ的に、いや、もう、素晴らしすぎてアタマが下がりっぱなしです、保存版だわ、こりゃ、というものです。
関心のあるかたは、是非、ご一読をオススメします。
著者が暮らす香川県周辺で得られたほ乳類を観察や計測した結果を材料に、ほ乳類の分類・同定の基礎となる考え方を主要なグループごとに語っていく内容。
頭骨や足型、そして生殖器のイラスト、すばらしい。
(足型は自分でも写真を撮ったりするんだけど整理していないし)。
イラストもすばらしいが、「こういう理由でここを計測する」というのが、形態学的なセンスの弱いワタシにはぐっときます。
大学などできちんとした研究トレーニングを積んでいないワタシのようなものにも復習の意味をかねて勉強になってありがたい。
歯式にしてもそうだし、なぜ顎骨第四前臼歯を計測するのか(→でかいから)とか、
ネズミ類の歯槽(あごの
骨の穴の空いている様)が種の同定のキーになるとか、時々登場する標準の図鑑で言われているこの識別ポイントについての一考なども勉強になる。
以前にお会いした際の雑談の中に出た四国のモグラ類の分布と同定の話など、あぁ、あの時の話はこのことだったのか、と腑に落ちる。
いやー、すばらしいなぁ、一家に1冊保存版として備えたい。
ワタシもアズマモグラの死体に改めて気をつけとこう。
著者には、本当に長生きしていただきたいものです、はい。